スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

上絵付け磁器板の額装 Before-After

■ 上絵付け磁器板の再額装 ■

圧力鋳込みの磁器板に上絵(転写と盛り絵具)で描いてある「やきもの作り風俗絵図」

やたら大きな額縁で、ビロード調の布貼りマット、そして面金で磁器板の縁を隠してしまっている。
残念ながら、これは額装とは言えない。
単に磁器板のサイズに合わせた額縁を作って放り込んだだけである。

上絵磁器板画ビフォー
               ↑クリックで拡大

コンパクトではあるが見た目も実際も「剛性がある」額縁にしました。
雰囲気は「昔の田舎風」・・・地味です。
楢材でシンプルな蒲鉾型、仕上げはグレーがかった塗装仕上げです。
マットは共に京裂の紬と柄緞子を使用し、磁器板は縁を見せて厚みがあることを伝えます。
磁器板は柄緞子の廻し貼りしたベニヤ板に二液性の接着材で小団子貼りしました。

5.5ミリとか12ミリの合板に貼り付けてあるのをよく見ますが、陶磁器板は完全なフラットではなく歪曲していますので、弊店では2.5ミリのベニヤ合板を陶磁器板の接着面に沿わせて接着いたします。

裂を使い、凹凸のある構造ですので、ホコリ対策で2ミリ厚のガラスを入れました。
下の画像はガラスを抜いて撮影してあります。

上絵磁器板画アフター

部分拡大

磁器板画はずいぶん汚れていました。水拭きしてみるとホコリは取れましたが、上絵具の盛り絵具の部分(特に紫色)に酸化皮膜が出来て曇って艶がなくなっていました。

上絵具というのは、いわゆる釉薬の一種で、低温で熔ける釉薬と着色用金属粉末を混ぜた色釉薬で、焼成後は半透明のガラス質になります。
ところが、一部の釉薬では年月が経つと大気中の亜硫酸ガスの影響もあり、ガラス質表面の金属が酸化されて酸化皮膜に覆われてしまいます。
この酸化皮膜は希硫酸の薄め液で除去できます。
伝統的な手法で作られる「織部焼き」の濃いグリーン色の釉薬は、焼成後は酸化皮膜に覆われています。これを希硫酸で除去する作業を「シブ抜き」と言います。
陶器板の作品はシブ抜きをした後、希硫酸が内部まで染み込んでいますので中和する必要があります。
今回は希硫酸が手元に無かったこともあり、研磨法で行いました。

研磨剤は酸化セリウム粉末を使います。同品は主にガラスの研磨(レンズの研磨など)とかシリコンウェハー・サファイア基板の研磨に使います。
粒子による研磨剤としての働きだけではなく、研磨面に分子レベルでの化学反応が起きてガラスの表面をフラット(ミクロの単位で)にしているという事が近年の研究で明らかになっています。
某国のレアアース禁輸政策のお陰で研究がより進んだ様です。

作業は、少量の酸化セリウム粉末に僅かな水を加えて布に付けて擦るだけです。簡単に酸化皮膜は取れます。
2つの画像を拡大して比べてみてください。

酸化セリウムが入手出来ないときは、カーショップでウインドウガラス油膜除去剤(又はフロントガラスクリーナー)を探してみてください。成分に酸化セリウムを含んでいる製品があるはずです。
蛇足ですが七宝の磨き、ユニットバスのホーロー壁の汚れ落としにも使えます。但しプラスチック部分に使いますとツヤがなくなる恐れがありますので注意してください。

念のために「セシウム」とは全く別物です。
セリウム(英: cerium)は原子番号58の元素で、元素記号は「 Ce」
セシウム (新ラテン語: caesium, 英: caesium, cesium) は原子番号55の元素。元素記号は「Cs」

大型額用の特注金具

200号用の特注金具

前田建設工業(株)東京建築支店さまからの依頼です。

仕事内容は、P200号の油彩画を某大学のエントランスホールに設置する金具の手配と工事手順書の作成です。

あらかじめ、受け下地材として60角パイプを縦に2ヶ所に入れて間仕切り壁を施工してありましたが、残念ながら2本の角パイプの距離が必要なスパンより約10センチ狭いので既成品の金具が使えませんでした。

公共施設への大型額の取り付けは、特に慎重に・確実に行わないといけません。
耐震性と耐久性を持ち、作品を傷めない。さらに作品と人に優しく。
耐震性は地震の上下揺れと取り付け壁面の左右揺れ・前後揺れの三次元で考慮し、壁面の構造と使用建材の種類、額縁の素材と構造、絵画の種類等などを合わせて考えます。

まず、大型額の設置方法を、ハード取り付けで行うか、もしくはソフト取り付けで行うか決めます。
今回は担当者と相談してソフト取り付けで行いました。

■ ハード取り付け
 金属製のLアングルを介して壁面と額縁を固定する。
 Lアングルと額縁、そしてLアングルと壁面下地との接続(ビス止め・ボルトナット止め)を確実に行えば耐震と耐久性を確保することは容易です。
 欠点は、取り付け工事が大掛かりになる。取り外しが簡単に出来ない。額縁の構造によってはLアングルが見えてしまう。
 Lアングルではなくドッコレールというアルミ製のレールで取り付ける方法もあります。しかし、ドッコレールを使うことを前提にして額縁を制作していないと色々支障が起きます。今回の額縁は外周部分の木材厚みが1センチしかなくドッコレールを後付けすることは不可能でした。それにしてなんちゅう額縁だ!!!
 
■ ソフト取り付け
 壁面側に取り付けた金具と額縁側の金具をステンレスワイヤー自在で繋ぎ吊り下げる方法です。
 ハード取り付けより耐荷重は下がりますが、壁面側金具と額縁側金具・ワイヤー自在の3点を1セットとして、それを左右に2セットづつ取り付けます。さらにフェイルセーフとして耐荷重の低いセットを壁側額側共にメイン2組とは異なる場所に取り付けます。このフェイルセーフは大型作品を設置作業するときの落下事故を防ぐ命綱の役割を果たします。
 所定の場所に設置できた後、フェイルセーフのステンレスワイヤーは「ピン」と張らずに緩やかな張りにしておきます。
 何らかのトラブルでメインの吊りセットが外れたり切れたりした時、一挙に落下することを防ぎます。
 取り付け工事がハードより容易です。200号の作品でも足場を組まずに脚立が2脚あれば出来ます。また上下移動の微調整が簡単です。さらに取り外しが容易です。
 欠点は、真横から見るとワイヤー自在などが見えてしまうことです。壁面側の金具は正面からは見えない位置に取り付けますので、さほど気にはなりません。
 壁面と接する額縁の4隅に、厚みが7ミリ前後のクッション材を当てます。理由は間仕切壁は常に微振動していますので壁紙・OPを保護する為と、額裏の通風をよくして作品の表面と裏面の温度差湿度差を少なくする為です。

今回は奥行き25センチのニッチ構造になっていましたので、左右の振れ止めを施しましたが、フラットな壁面に設置した場合、人の頭部・肩に額縁が当たる時、左右に振れるのをあえて止めません。逆に額の四隅に付けるクッション材を滑りのよい物にします。走ってきた方とか酩酊した方が強く当たったりしたとき、人に与えるダメージを幾分緩和できます。
過去の記事 (当記事には「セーフティプルーフ」と記されていますがフェイルセーフの事です)

**********************************
 
特注壁面取り付け金具

 4ミリと9ミリ厚のステンレスで製作しました。もちろん専門メーカーで作って頂きました。ちなみに当店から車で3分のところにあります。<ちか!!>

 とても奇麗に出来ております。・・・いぃ仕事をしてますねぇー

額吊り金具 重量用 特注-1

額吊り金具 重量用 特注-2

額吊り金具 重量用 特注-3

額吊り金具 重量用 特注-4


特注金具の模型と図面・工事手順書の

資料の山


吊りセット部分(試しです、額と壁面はフェイクです)

大型額吊り/横から  ←画像のクリックで拡大
特注プレートが額縁よりはみ出していますが、現場では出ない。フェイルセーフのセットは写っていない。

布で出来たチョコレートの額装

「内田 美恵子」さん創作の「布のチョコレート」の続きです。
先月瑞浪市で作品展を開催したところ【完売】!!!

今回紹介する作品は、その作品展には出品されておりません。
画像をクリックで拡大!!

布チョコ-1

布チョコ-2

布チョコ-3

布チョコ-4

前回の紹介ページはこちら

磁器食器の自滅割れについて

 景品の中国製マグカップで相次ぐ破損が報道されていますが、このような事故は度々発生しています。

 陶磁器は、焼き上げた大きさは成型したときの大きさより約1割小さくなります。陶磁器の形状により異なりますが、縮み具合は部位によって異なります。その差が焼成歪みとなって残ります。

 焼成において、窯の温度が最高点に達したあと、その温度をしばらくキープします。これを練らしと言い焼き物の種類と窯によって異なりますが2時間前後かけます。その後いきなりバーナーをOFFにせず、バーナーをアクティブな状態で徐々に温度を下げていきます。
 燃料を節約するために、この練らしと冷ましの時間を極端に縮めると焼成歪みが残ることになり、破損しやすくなります。

 シバリングと言いますが、釉薬よりも素地の熱膨張が高いため、窯から出した後で、素地が残留した釉薬の圧縮応力に耐えられずに破壊されることもあります。磁器で多く見られます。素地の調合と釉薬の調合のミスマッチが原因です。

 水和膨張によって陶器が割れることもあります。陶器の中へ液体を入れて放置しておくと、釉薬の細かいヒビから液体が素地に浸透し、素地が膨張することによって割れるケースです。磁器・炻器(せっき)の場合には起きません。

 肉厚が厚い食器で、粘土のコストを下げる為に混ぜ物を加えるインチキがあります。焼成しても素地の中で縮み率が異なる鉱物が存在することになり強度が下がります。

 取っ手が付いたコーヒーカップとか紅茶カップなどの取っ手の部分が簡単に取れる事故もあります。
 本体と取っ手は別々に成型されます。素地が半乾きのときに「どべ」(作品と同じ粘土を水に溶かしてどろどろにしたもの)で本体と取っ手をつけます。
 この作業は熟練を要します。非熟練工が行ったり、乾燥管理(素材と取り付け後の両方)が曖昧だったり、どべが不適当だったりしますと問題がおきます。

 中国製でなくても、見本と荷口は別物と認識して、荷口のランダム抜き出しによる製品チェックは不可欠です。
 もちろん鉛成分のチェックは必須です。

ミルクペイントの油彩額

やさしい油彩額

本間希代子さんの油彩画「耳をすます」 F12号

シンプルなフラット型のフレームをミルクペイントで仕上げました。

aburae_640

aburae-up_640

画像のクリックで拡大画面が出ます。


プロフィール

原 護

Author:原 護
額装の駆け込み寺・・・
額装工房アートランド
   店主 兼 職人です
中津川に店を構えて40年
当時は単なる額縁屋!!
ΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓ
作品に対する安全と
  人に対する安全を重視
そして・・・恐妻家です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。