復刻地図の額装
折り目がくっきり付いている復刻地図の額装
東京の同業者からの依頼です。
お客様にお見せする額装見本画像と見積もりをインターネットで送り、お客様の了解を得てから地図を送ってもらい額装しました。
折シワがしっかりついている復刻地図

地図の一部に破損があり、図書補修用のテープで補修してありました。
この画像でわかるように折筋がずいぶん深い。

地図の紙厚が意外と薄く、地図を水張りすると折り目で破れる可能性が高いのでバキュームマウントすることにしました。
水張り=水を塗布して地図を伸ばし、地図の周囲を専用テープで台に固定する。地図が乾燥すると紙が縮みシワがとれ、地図がパンとまっすぐになる。
地図は加湿して充分伸ばしてから採寸する

霧吹きで濡らした新聞紙の間に地図を挟み、大きく巻いてからポリ袋に入れて2、3時間放置する。
ポリ袋から取り出して、慎重に伸ばし、採寸する。再び濡れた新聞紙に挟み巻いてポリ袋にいれる。
ドライ状態での地図寸法=732×540ミリ
ウエット状態での地図寸法=755×544ミリ
窓寸法を決定する 746×500ミリ
マット巾を70ミリとすると、フレームの内寸=887×641ミリ
地図の長手方向で23ミリも伸びている。ウエット状態でマウントした地図が乾燥すると、紙の縮もうとする力は意外と大きいので、マウントベースの強度が低いと歪曲してしまう。
曲がりにつよいフラッシュパネルで裏板とマウントベースを兼ねさせることにしました。バキュームマウントをするのでフラッシュパネルの中桟は細かく入れます。

桟に木工ボンドを塗ってベニヤ合板を乗せ、ステープルで留めます。

ステープルは錆が出にくいステンレス製を使用します。
ボンドが乾いてからサンドペーパーで整え、裏面側にはグリーン紙を貼ります。
通常ですとマウントする面にはシロ鳥の子紙をベタ貼りしますが、今回は下記の理由でベニヤ合板のままにしておきます。
地図の裏面の印刷が透けて見える
地図の裏面には単色印刷がしてあります。このままシロ鳥の子紙の上に貼りますと裏面の印刷が透けて見えてしまい見苦しくなります。
作品保存用のアルファーマットのブラック(厚み1.5ミリ)にマウントして、それをフラッシュパネルにマウントする方法を採用しました。
充分加湿してある地図の補修テープを外し、地図の裏面にでん粉糊をスポンジローラーで塗布します。それを上記のアルファーマットに乗せ、狸毛の刷毛で慎重に伸ばします。それをバキュームマウンターにセットして減圧圧着します。(当店のバキュームマウンターはホームビルドで、仔細はマル秘です)
続いて(乾燥しないうちに)地図が貼られたアルファーマットの裏面にでん粉糊をスポンジローラーで厚めに塗布します。それをフラッシュパネルに乗せ、再びバキュームマウントします。


バキュームマウント後、乾燥した状態。この後、地図の周囲に厚み調整の1.5ミリ厚マットを貼り付けている。
額縁とマットはスタンダードで
額縁は自店製のチーク色塗装、マットは2ミリ厚の国産マット、ダストカバーは2ミリ厚のアクリルです。
地図は普通の印刷ですので紫外線で褪色します。アクリル板自体紫外線カットの特性を少しもっています。お客様にはUVカットアクリルの説明もしてありますが今回は普通アクリルを採用しました。
地図の額装完成

アクリルを外して撮影してあります。
この出来上がった額装品を見ただけでは、見えないところの構造や、作業の特殊性は推測出来ないと思います。お客様にとっては大事な地図です。思い出が沢山ある地図かもしれません。見えないところも手を抜かず、地図の劣化を押さえる額装を工夫しています。この額装品が少しでも長くお客様と共に暮らしを共有してくれれば幸いです。
お客様には「あのシワだらけの地図がこんなに綺麗になって」と大層喜んで頂きました。
東京の同業者からの依頼です。
お客様にお見せする額装見本画像と見積もりをインターネットで送り、お客様の了解を得てから地図を送ってもらい額装しました。
折シワがしっかりついている復刻地図

地図の一部に破損があり、図書補修用のテープで補修してありました。
この画像でわかるように折筋がずいぶん深い。

地図の紙厚が意外と薄く、地図を水張りすると折り目で破れる可能性が高いのでバキュームマウントすることにしました。
水張り=水を塗布して地図を伸ばし、地図の周囲を専用テープで台に固定する。地図が乾燥すると紙が縮みシワがとれ、地図がパンとまっすぐになる。
地図は加湿して充分伸ばしてから採寸する

霧吹きで濡らした新聞紙の間に地図を挟み、大きく巻いてからポリ袋に入れて2、3時間放置する。
ポリ袋から取り出して、慎重に伸ばし、採寸する。再び濡れた新聞紙に挟み巻いてポリ袋にいれる。
ドライ状態での地図寸法=732×540ミリ
ウエット状態での地図寸法=755×544ミリ
窓寸法を決定する 746×500ミリ
マット巾を70ミリとすると、フレームの内寸=887×641ミリ
地図の長手方向で23ミリも伸びている。ウエット状態でマウントした地図が乾燥すると、紙の縮もうとする力は意外と大きいので、マウントベースの強度が低いと歪曲してしまう。
曲がりにつよいフラッシュパネルで裏板とマウントベースを兼ねさせることにしました。バキュームマウントをするのでフラッシュパネルの中桟は細かく入れます。

桟に木工ボンドを塗ってベニヤ合板を乗せ、ステープルで留めます。

ステープルは錆が出にくいステンレス製を使用します。
ボンドが乾いてからサンドペーパーで整え、裏面側にはグリーン紙を貼ります。
通常ですとマウントする面にはシロ鳥の子紙をベタ貼りしますが、今回は下記の理由でベニヤ合板のままにしておきます。
地図の裏面の印刷が透けて見える
地図の裏面には単色印刷がしてあります。このままシロ鳥の子紙の上に貼りますと裏面の印刷が透けて見えてしまい見苦しくなります。
作品保存用のアルファーマットのブラック(厚み1.5ミリ)にマウントして、それをフラッシュパネルにマウントする方法を採用しました。
充分加湿してある地図の補修テープを外し、地図の裏面にでん粉糊をスポンジローラーで塗布します。それを上記のアルファーマットに乗せ、狸毛の刷毛で慎重に伸ばします。それをバキュームマウンターにセットして減圧圧着します。(当店のバキュームマウンターはホームビルドで、仔細はマル秘です)
続いて(乾燥しないうちに)地図が貼られたアルファーマットの裏面にでん粉糊をスポンジローラーで厚めに塗布します。それをフラッシュパネルに乗せ、再びバキュームマウントします。


バキュームマウント後、乾燥した状態。この後、地図の周囲に厚み調整の1.5ミリ厚マットを貼り付けている。
額縁とマットはスタンダードで
額縁は自店製のチーク色塗装、マットは2ミリ厚の国産マット、ダストカバーは2ミリ厚のアクリルです。
地図は普通の印刷ですので紫外線で褪色します。アクリル板自体紫外線カットの特性を少しもっています。お客様にはUVカットアクリルの説明もしてありますが今回は普通アクリルを採用しました。
地図の額装完成

アクリルを外して撮影してあります。
この出来上がった額装品を見ただけでは、見えないところの構造や、作業の特殊性は推測出来ないと思います。お客様にとっては大事な地図です。思い出が沢山ある地図かもしれません。見えないところも手を抜かず、地図の劣化を押さえる額装を工夫しています。この額装品が少しでも長くお客様と共に暮らしを共有してくれれば幸いです。
お客様には「あのシワだらけの地図がこんなに綺麗になって」と大層喜んで頂きました。



